3. 槍が岳パート1 

1998年 7月26日〜28日

上高地

上高地から入り、3時間歩いて途中の槍沢ロッヂで一泊。風呂がありがたい。
せっけん、シャンプー不可だけど。土間の談話室がミョーに居心地いい。
 

朝の槍

朝5:00出発。晴。ロッジを出てすぐ、眼前に赤い三角の山が。
近くにいた人に、”もしかして、あれ、槍?”ってきいたら、
”そう、晴れてよかったね”と。
カンゲキー!思わずカメラを出し、正副、写真をとる。
 

槍沢

槍沢をひたすら歩く。大曲りから登りになる。あたりはお花がいっぱい。
とっても小さなかわいい花々が、短い夏にむけて咲きそろっている。高山植物の成長は非常にわずかなのだそうだ。1年に1ミリとか、聞いたことがある。雪の下でも生きているんだから、すごいよね。残雪もさわりに行った。
 

槍の出現

沢の景色も見あきる程登ったところで、何と、突然三角の槍が見えてきた!
驚きと感動の一瞬。
あまりにも待ち望んでいたものが全容を見せてくれたのだから。
 

槍が岳

カンゲキー、うれしー、いっぱい写真とった。心にもやきつけた。
あー、気がすんだ。目標達成。大願成就。
 

天狗原

 
と、振り返ったら、なんと富士山が見えているではないの。いつぞやの逆。向こうからも見えるんだろーなー。不思議な感激。写真には写らなかったが。

右の、雪が残っているあたりが天狗原だ。いつか、余裕をもって行ってみたい。
 
 

常念岳(左奥)と蝶が岳

そのうちやっぱりガスがかかって、槍が岳山荘に着いた時はすっかり雲の中。
槍沢ロッヂから、なんと5時間半の登り。富士山よりはラク。
 

槍が岳

サイテーな事に、私はタバコ吸いである。そして槍が岳山荘にタバコはない。
手持ちも一本もない。がーん、がーん、がーん。

夕方、”夕やけだー”の声で外へ出る。西鎌尾根の上をキリが流れ、
その彼方、今日の太陽が今まさに沈まんとしている。
カメラや上着を取りに戻っている時間はない。

すごくゲンソー的で、無音の世界。ただ、ものすごく寒い。
ふるえながら立ちつくしていた。

暑い下界から登ってきて、寒い稜線に着き、山小屋のあたたかい乾燥室で暖をとるのが、たまらなく贅沢でステキだ。そのあとはビールだよね。

 

大曲り

夜半からすっごい雨と風。朝になってもおさまらず、下山に決定。
みんなはカッパを着て続々と山頂を目指す。が、私の場合は登山ではなく、
ハイキングなので一目見れた今回は大成功であり、ムリをして山頂へ行くつもりは全くない。
 

梓川の源流

徳沢園まで下って、やっとタバコにありつく。槍が岳山荘から上高地まで、
下り7時間。初めてコースタイムより早く歩けた。禁煙はつらかった。

上高地から槍が岳まで、往復40キロあるが、あの唐突な感激のシーンの為に
また行ってみたいコースである。